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藤原和博「人間の素の姿がでてきちゃうユニークな採用試験」

藤原和博

藤原和博さんが使えると思ったシナリオ採用試験

採用試験・・・企業にとっても学生にとっても、これほど大変なものはありません。元リクルートで元和田中学校校長としても著名な藤原和博さんでさえ、面接試験で採用を決めることは難しいと語ります。過去に失敗したともおっしゃっています。

そう語る藤原和博さんが、月~金の5:00-8:00放送のニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』の【ひでたけのやじうま好奇心】というコーナーで、4/5(金)藤原和博さんが「ユニークな採用試験」としてシナリオ・センターの「シナリオ採用試験」を取り上げてくださいました。
実は、藤原和博さんと直接お会いしたことはありません。それなのに急遽取り上げたいとのご連絡を頂きました。藤原和博さんがどの部分を、どうユニークだと思ったのか…
【ひでたけのやじうま好奇心】の内容をお伝えします。

採用試験で面接しても、学生に化かされちゃう

高嶋ひでたか
大変ユニークな採用試験というのを今日は紹介してくださる、ということで。

藤原和博
はい

高嶋ひでたか
よくあの、中学とか小学校とか入試の変わった問題というのはありますけれども、入社試験というのはなかなか外に出てきませんでね。そんなにユニークなのがあるんですか。

藤原和博
そうですね。会社も短い時間に相手、つまり学生の本質を見抜く必要があるじゃないですか。おざなりな当たり前の知識の試験とか面接なんかでも、なかなか分かりにくいんですね。

高嶋ひでたか
分からないでしょうねぇ。

藤原和博
そうなんです。どうですか?その前に伺いたいんですけれども、採用試験や面接で印象に残っていることはありますかね?高嶋さんって入社試験って受けたんですか?

高嶋ひでたか
もちろん受けましたよ。

藤原和博
受けましたか。もう覚えてないですかね。

高嶋ひでたか
僕が言われたのは『君は随分成績が悪いけど、何してたんだ』と(笑)。僕なんかバイトばっかりしていましたからね(笑)

藤原和博
うん、それはそれで筋通っていますね。面接官になったことはありました?

高嶋ひでたか
1度だけ。最後の面接じゃないですけどね、採用の一次試験か二次試験か何人かやりましたけど、分かりませんでしたね。

藤原和博
やっぱり分かんないですよね。僕リクルートに18年いて、そういう意味ではプロだと言われてもおかしくないんですが、僕だってやっぱり分かんないんですよ。
あるいは採用ミス、はっきりと2度ほどやったことがありまして、それでえらいことになったこともあるんです。それで特に女性は本当にわからない。もう化かされちゃう。

とにかく会社と学生とが丁々発止ね、やり合うわけですけれども、ちょっとユニークなその採用試験。私が関係している『コプラス』っていう、コーポラティブハウスの会社が実際にこれをやった。で、実際にそれで採ったんですけど。あの、シナリオ・センターというのがあるんですよ。

高嶋ひでたか
え?作家さん、脚本家の?

藤原和博
そうです、そうです。 1970年に設立された学校で、脚本家の養成スクールですけれども、これまでジェームス三木さんとか内館牧子さんとかね、数多くのプロの作家を輩出してるなんわけですよね。
で、そのシナリオ・センターが作った採用試験を、まあ25分くらいでやらせるんです。それをシナリオ・センターに送りますと、分析も返ってくるという、そういうようなことなんですが、実際に使われたこの採用試験から早速、その一例をシナリオ・センターの許可を得て、紹介したいと思うんですけれども。

高嶋ひでたか
それは、興味深いですね。

「社会の歯車になるの?」10歳の健太の質問に答えるだけ

藤原和博
箱崎みどりアナウンサーが試験を受けている設定でですね、ちょっと問題のシナリオを紹介しますね。あの、シナリオって言ってもね、A4の横の紙にこんな風に書いてあって記入するようになっている。

箱崎みどり
なんか国語の問題みたいですね。入試問題みたいな。

藤原和博
そうですね。でも国語の長文を読解して……ということじゃないんです。こういう感じなんですね。
箱崎家の居間。リビングの設定です。これみどりさんがね、どっかから帰って来るんですね。で、おそらくみどりさんは採用試験を色々受けて、もう就職活動中の大学生みたいな設定です。

みどりが入ってくると、10歳のケンタが鉛筆をグルグル回しながら、嫌そうに宿題をやっている。これはまあ、親戚の弟分みたいなのが来たって感じね。
「分数分かんないな。僕はサッカー選手になるんだから、分数なんて関係ないのにさ。学校の勉強なんて何の役にも立たないよ!」と言いました。

ではここで箱崎さんに突然質問です。仮に10歳のケンタ君が親戚の子だったとしたら、どんな言葉をかけてあげますか?どうぞ。

箱崎みどり
「サッカーの試合の時だって、こうなったらこうするみたいなのがあるでしょ?分数もこういう場合はこうするって考え方の練習になるんだから、ちゃんとやりなさい!」

藤原和博
なるほど。結構ちゃんとやってきた人の答えかな、という感じがありますね。
どうします?高嶋さんだったら。

高橋ひでたか
「そうだよな。俺もさ、数学なんて高校2年の時は1だったけど、何にも世の中に困んないよ。ゴルフやる時だけ暗算出来なくて、人に頼んでるけど」ってそんなこと言いそう、私の場合。

藤原和博
それはそれで分かり易いですね。
続いてなんですけれども10歳のケンタ君、こんなことも聞いてくるんですよ。「お姉ちゃん、なんか行きたいと思ってた会社に入れそうなんだって?でも会社って大変そうだよね。社会の歯車になるってこと?」
こういう風に聞いてくるの。すごい生意気な感じですね。

箱崎みどり
10歳で!

藤原和博
10歳です。最近の10歳って男の子よりも女の子だったらね、これぐらいのこと聞いてきますよ。
どうですか、箱崎さん。「社会の歯車になるってこと?会社に入るって」

箱崎みどり
社会は1人1人の役割出来てるんだから、それだって大事なことなんだよ。

藤原和博
これもやっぱりちゃんとやってる人の答えですね。

箱崎みどり
何かケンタ君の親御さんにこう、何ていうか……

藤原和博
むしろケンタ君の親に対して言っている感じですね。

箱崎みどり
そう。ケンタ君の後ろに(親御さんが)いてってことですね。

藤原和博
どうですか?高橋さんは。

高橋ひでたか
そうですね。私だったら・・・
「いや、歯車なんだけど、小さい歯車だってお前、何倍もデカい歯車をね、その力で動かすことが出来る。大きな力を動かせるんだ。歯車の何が悪い」ってね。

藤原和博
なるほど。いい感じですね。
でね、これ別に正解があるわけじゃないんです。ケンタ君が納得するかどうかってことだと思うんですよね。
これが面白いのは、例えば20人の学生に答えさせますよね。それを一括してシナリオ・センターに送りますと、それぞれのキャラがですね、こういう1枚の紙でみどりさんが持っている資質、これからの課題っていうような感じで、みどりさんの柱になっているものを1ページくらいで返却されるという・・・この『分析シナリオ・センター』っていうのがあるんですが……

高橋ひでたか
ああ!今言った回答から……

藤原和博
そうです。回答を読みこんで、それでこれはこういうタイプの人だ、っていうのがですね、要するに(紙になって)戻ってくるわけですよね。

高橋ひでたか
持っている資質とあって、(イ)、(ロ)、(ハ)と3つ書いてあって……

学生の素が出てくるシナリオ採用試験

藤原和博
はい、そうなんです。分かりますよね?
結局ね、こんなある意味、七面倒くさいシナリオが役に立つのかと言いますと、面接とか集団討議とか結構やるんですけれども、なかなか学生の本来の姿って見えてこないんですよね。

っていうのは、面接では学生もね、しゃっちょこばって「御社は……」とかですね、「ワタクシは……」とかですね、急にいつも「オレは」とか言っているのが「ワタクシは」って、これ小説になっていたと思うんですけど、そうなっちゃいますよね。普段とは全く異なる姿である、と。

ところがシナリオの中では10歳ケンタ君の、親戚のお兄ちゃん・お姉ちゃんという設定の中に身を置くので、結局ついつい自分がずっと本来考えてることが出ちゃうってことです。

10歳の男の子に「ワタクシは……」とは言いませんので、「僕はね」とか、「お姉ちゃんはね」という風に、もう言った途端から素の姿になってしまうというような感じですよね。

それに対して、実はケンタ君が聞いてきていることって、相当レベルの高いことなんですよ。「学校の勉強なんて意味ないんじゃないか」とか「働くということは何か?」っていう、そういうことを問いかけているわけですね。面接官が「働くって事は、なんだと思われますか?高嶋さん」とか聞かれれば「ワタクシは……」となりますが。

高嶋ひでたか
そうかそうか。人間の素の姿が。

藤原和博
斜め下の子に対しては出てきちゃうわけです。しかも書く時間がたったの25分なので、じっくり考えて自分を飾ろうとしている時間がないんですよね。

高嶋ひでたか
それはあれですか、シナリオ・センターというところが脚本家を育てるってことが本業でしょうけど、それ以外に(分析を)ビジネスとしてやってるんですか?

藤原和博
そうですね。

高嶋ひでたか
分析している人はどういう人たちなんですか?

藤原和博
おそらくシナリオ・センターが組織化したシナリオライターの卵の人たちが(※注1)、ある一定の基準に基づいて分析してると思うんですけど、これシナリオ・センターっておそらく「1億総シナリオライターにしたい」(※注2)みたいな感じで、そうするともっと日常の役割を演じることが上手になるんじゃないか、という思想だと思うんですよね。

高嶋ひでたか
確かにシナリオ書くっていう人は、それぞれその出演者の個性みたいなものや、絡み合いとか葛藤とか、そういうものに分析力長けてなきゃダメですよね。

藤原和博
そうです。例えば『1つ1つケンタ君の問いに確実に答えようという気持ちが強いゆえに、セリフを最後まで書ききれませんでした。俯瞰力を付けると貴方の誠実さがいっそう生きると思います』みたいなね。そういうコメントが入るわけです。

高嶋ひでたか
本質を突いている試験ですよね。
どうもありがとうござました。藤原和博さんでした。

※注1:分析については、「シナリオ採用試験」を担当する専門の弊社スタッフによって行われます。

※注2:「一億総シナリオライター化」は、シナリオ・センターの創設者である新井一が創設時に掲げた理念です。現在、「一億人のシナリオ。」プロジェクトという形で、企業での研修をはじめ、小中高校や大学、官庁などでシナリオをツールにした研修や出前授業、ワークショップなどを実施しております。

採用試験や入社後の配属検討の資料として

シナリオ・センターが実施している「シナリオ採用試験」では、面接や集団討論では明らかにすることができない学生さんたちの素の部分を分析することができます。
大学生や高校生がキャリアを考えるための手助けとして使う教育機関向けのカレッジシナリオバージョンもありますので、お気軽にお問合せください。

シナリオ採用試験は、年間の実施回数に限りがあります。ご興味がある方は「ビジネスシナリオ」の項目にチェックを入れて頂き、お気軽にお問合せ下さい。

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