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祝、女子聖学院中学の演劇部の皆さん!中学演劇部都大会への出場が決定!!

シナリオ・センターの新井です。
2012年6月30日(土)に、女子聖学院にて、女子聖学院と開成学園の中等部・高等部の演劇部の生徒さんにシナリオの授業を実施しました。
その甲斐あってか、今年その授業を受けた生徒さんが書かれたシナリオを基にした作品が、都大会出場となったとのことです!顧問の先生からご連絡を頂きました。

おめでとうございます!

いや~4時間近く、立ちっぱなしで授業をした甲斐がありました(笑)うちの学校でも!という方、是非ご覧下さい!2012年10月号の「シナリオ教室」に掲載させて頂いた内容です

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■技術なんて知らなくても、シナリオは書ける

『シナリオの基礎技術』、そんなもの知らなくたって、シナリオは書けます。

現に自己流でシナリオを書いている方は、世の中にいくらでもいます。そういう意味では、『シナリオの基礎技術』を知らなくても、その定着のために課題を何本もこなさなくても、なんら問題はありません。

ただ、ある日問題が生まれます。ひとつは、なんか思うような評価をもらえる作品が“書けない“という問題です。次に、そもそも“書けない”という問題です。その日を迎えると人はこう口にします。

「自分には才能がない。だから書けない」

書けないことの原因を、才能のあるなしに求め始めるのです。

その考え方に対して、皆さんはどう思われますか。禅問答のようですが、そういう方は「才能がない」と言い切れるだけ、才能について知っているのでしょうか。

議論している本人が、そのものをよくわからないという意味では、「お化けがいる、いない」という議論と「才能がある、なし」という議論は同じです。議論自体は盛り上がりますが、「お化けとは?」「才能とは?」となると誰もが黙ってしまいます。

例えば、これからたくさんの可能性を秘めている中学生、高校生が自分の思ったようなシナリオが書けないことを、才能のせいにしてしまったらどうでしょう。せっかくの可能性を潰してしまいかねません。なぜなら、書けないのは才能のせいではなく、表現する技術を知らないせいなのですから。

 

■書けない悩みを技術が晴らす

今回、シナリオの授業を依頼して下さった女子聖学院の筑田先生からは

「自分たちで台本を書きたがっている演劇部の生徒向けの授業をしてもらいたい」

とお話を頂きました。台本をどう書けばいいのかという技術を、『シナリオの基礎技術』から学んでもらうことは可能です。そうすることで、“書けない”という悩みが晴れ、こう書けばいいのだという道しるべができます。

「自分の中で台本を書く段取りというのがとてもぼんやりしていて、それが今日で大分整理が付いたかなと思います。体系化されたことで今後に活かしやすくなりそうです」(開成学園)

ごく稀にシナリオの技術というと、型にはめることではないのかと思う方がいます。型にはまることで、凡庸でありきたりなシナリオを書くようになってしまうのではないかと心配されるようです。

ですが、それは全くの誤解です。シナリオの技術は、例えるならば地図です。現時点のあなたが、魅力的なドラマというゴールを目指して、どう進めがいいのかを示すのです。その中継地点に、キャラクターを魅力的に書くためにどうすればいいのか、セリフはどんな種類があり、どういうセリフが魅力的なのか、ト書の表現はどうすればいいのか、構成はどう立てればいいのかなどがあります。

「何をどう書いたら上手くセリフにできるのかということが分かりました。台本の順序もわかってすっきりしました」(女子聖学院)

これら中継地点を経由した後にたどりつくゴールには、紋切り型のドラマがあるわけではありません。書き手の数だけ、ドラマも生まれます。当然のことですが、同じシナリオの基礎技術を学んでいても、出身ライターのジェームス三木さんが書くドラマ、柏原寛司さんが書くドラマ、岡田惠和さんが書くドラマは全く異なります。たとえ同じテーマで書いても必ず違うものが出てきます。

そのため、中高生にシナリオの技術を学んでもらうのは、型にはめるためではないのです。より魅力的なドラマを書いてもらうための地図を示してあげるためなのです。

筑田先生は、以前実施した教員向けワークショップに参加されたときに、書きたいけど書けないでいる生徒さん達の助けに『シナリオの基礎技術』は助けになると考えたのだと思います。

実際、演劇部の生徒さん達は、とても真剣な目で話を聞いてくれました。ワークショップを交えながら、4時間に及ぶ授業は、ほんの数カ月前まで小学生だった中学1年生にはしんどい授業だったと思います。それでも集中力は途切れることはありませんでした。自分の好きなことにプラスになると思うと、俄然気持ちの入り方が違うのかもしれません。

私自身、高校生から中学生まで一緒にということで、照準の合わせ方が難しい授業でした。こまめにワークショップを挟むことで、生徒さん一人ひとりの進度と理解度を確認しながらできたのが良かったとも思います。

「いままでシナリオを書こうと思ってもどうやって書けばいいのかわからなかったのですが、どのように書けばいいのか聞けたのでシナリオを書いてみたいです」(女子聖学院)

 

■見える学力と見えない学力

シナリオを書くことは、人間を描くことです。テストで測れる学力を見える学力とすると、シナリオを書くために、自分とは違う登場人物のキャラクターについてあれこれ考えること、そして登場人物が属する社会についてあれこれ考えることは、テストでは測ることのできない見えない学力といえるのではないでしょうか。

後者の学力は、想像力や創造力と言い変えることができます。それは自分を含めた人間に対して、そして自分の生きる社会に対して深く考える力です。

世の中はわかりやすい結果に飛びつきがちです。見えない学力よりも見える学力を評価します。それによって大切なものを見落としがちです。

見える学力、見えない学力、どちらの学力も生きていく上で大切です。この二つの学力をバランスすることが、子どもの成長に携わる大人の役目なのではないかと思います。

勉強ができるだけ、仕事ができるだけでは学校でも社会でも生きていくことはできません。人と人との関係の中で生きていくには、見えない学力も必要になります。シナリオは見えない学力を伸ばす具体的な手段です。必要だと思う学校、企業があればこれからもどんどんシナリオの授業を実施していきたいと思います。

演劇という部活動を通して、女子聖学院と開成学園の成績優秀な生徒さん達の見えない学力がより伸びてくれたらと思います。大会で成果が出たら、きっと目に見えるかも?

「シナリオ教室」2012年10月号より

と、結びを改めて読んでびっくりしました!だって、見事に大会で成果を出してくれたのですから。そして、もっともっとステキな結果が出ることを応援しています!

シナリオ・センターでは、「一億人のシナリオ。」プレジェクトを様々な機関で実施しています。ご要望があれば、お気軽にお問合せください。詳しくはこちらから。お問合せは、シナリオ・センター新井まで(電話:03-3407-6936 メールはこちらから

 

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