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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

神様刑事がでました。

シナリオ・センター代表の小林です。寒さもひとしおですが、お会いする方々の半分くらいの方がマスクをしていらして、咳がひどい方が多いですね。のどに気をつけてください。

 神様刑事

 マイスターの関口暁人さんが初めて単独で本を出されました。
「神様刑事~警視庁犯罪被害者ケア係 神野現人の横暴~」(TO文庫刊)
関口さんは、短編集「99の涙シリーズ 涙猫」「彼女を殺すのに1票投じます」(リンダブックス刊)なども書かれていますが、長編を単独で書かれたのは、今回が初めてです。
刑事ミステリーですが、この設定がとてつもなく面白い。
普通の文庫より字が小さく、一見読みにくいなあと思ったのですが、いやいやそんなことはものともせず、一気呵成に読み切ってしまいました。


刑事ものもたくさんありますが、被害者ケアの刑事係という設定がふつうではありません。
被害者も、被害者のご家族も犯人が捕まったら解決というわけではありません。
亡くなった方は生き帰りませんし、遺されたご家族の消失感はぬぐえません。傷ついた方は、犯人が捕まったところで、すべてが癒されるわけではなく、深く心に残ります。
案外、被害者に対する思いやりとか心配りとかは気が付かない、欠けているような気がします。
最近では、犯人ではなく、被害者のプライバシーや過去を暴いて、被害にあっても仕方がないのよくらいの報道をするマスコミもありますからね。

そんな意外な盲点を、警視庁の中に被害者をケアする係がいるという今までにない設定にびっくりです。
その上、この主役の神野現人のキャラクターが怪しく、すごい。

警視庁総監の息子だからなんでもありの、好き勝手のやりたい放題、言いたい放題の傲慢男。自分は神だからと豪語する。
女刑事小野皇子は、父親も警察官で殉職しているという過去を持った女性。捜査一課の刑事でありながら友人の女性を守れなかった後悔から、遺族を支援する神野が所属する「犯罪被害者ケア係」へ異動するというところから、お話は始まります。
強烈なキャラクターの主人公にトラウマを持つ女性刑事のコンビが、ハチャメチャなケンカをしながら、遺族と一緒に犯人捜しをするというのも異色ですが、二転三転するドンデンに、最後まで目が離せません。 

これだけしっかりしたキャラクター設定、ちょっと他にはない被害者ケアという設定・・・これはシリーズものになりそうですね。
読んでいると、シーンがどんどん目に浮かんで、このタカビーな神という神野刑事は、私の大好きな福山雅治さまに演じてもらいたい、小野皇子は尾野真千子さんがいいなあ・・・と。(笑)
勝手に想像できるほど、面白いミステリーです。是非、読んでみて下さい。

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