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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

痛みを想像する

シナリオ・センター代表の小林です。テレビで、辺野古久志区の補助金をどうするかのドキュメンタリーをみました。
補助金をもらうということは基地を受け入れるということなのですが、昨年の国の強行工事を見て、ほとんどの住民がどんなに反対しても結局押し切られるのだと無力感にとらわれます。だったら、補助金をもらってしまう方がいいと若い人の多くは思いました。区民投票で決まります。
沖縄戦を知っている人は断固反対を貫きます。再び血塗られた島にしたくないと。
外相広島献花

沖縄は本土の壁となり、占領されて、基地に土地を召し上げられて・・・。
辺野古は、農業にも適さないある意味貧しいところです。キャンプシュワブのそばであり、射撃訓練や戦闘機の騒音に悩まされながら暮らしてきました。 小さな区域で住民同士が争いたくない・・・。もらわないことも正解、もらうことも正解と住民のひとりはつぶやきます。
東京にいるとまったくわからない、沖縄の人々の過去の痛み、今の痛み。地方の貧しさをどう想像するか、他人の痛みをどう想像するか・・・。淡々としているのですがつらい内容でした。
貧しい者のほっぺたは、札束で叩けばいいと思いすぎてはいないか、お上は。
その場限りで将来のことまで考えずに動いていないか、お上は。
遥か昔からくりかえされてきた、形が貧しい者に対する心が貧しい者たちの仕業・・・心が痛みました。
沖縄だけのことではありません。福島も、東北も、シリアも・・・。
保育問題も介護問題も・・・。実際にそこにいない、当事者の痛みにはならないでしょうけれど、想像することはできる、誰でも、どこにいても。
今の時代ほど、想像力が問われる時代はないのではないかと思います。

広島でG7外相が原爆死没者慰霊碑に花を手向けました。71年前には考えられないことだったいいます。 でも、人は変われる。想像力が広がれば、他人を見つめる目を変えることができるのです。
最近の世相は不寛容だと言います。
 不寛容にならないためにも、私たちは、想像力を働かせて、他人を理解しようと努力しませんか。
そして、ものを創る者は、創作を通して表現しませんか。
人間を描くドラマは、時代を見つめ、他人を見つめ、想いを表現できる大切な場所だと思うのです。

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