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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

公開シンポジウム

 シナリオ・センター代表の小林です。この週末は、日曜日は説明会もあり、大忙しの土日でしたが、それだけに実りのある時間でもありました。

脚本家連盟シンポ

26日土曜日は、日本脚本家連盟創立50周年記念、脚本家の地位向上を目指した公開シンポジウムがあり、拝聴して参りました。
シンプルな感想ですが、面白かったです。(笑)

第1部は、「これからのドラマを語る」と題して、朝ドラを書かれている脚本家「ふたりっこ」「オードリー」の大石静香さん、「花子とアン」の中園ミホさん、「マッサン」の羽原大介さんに、朝ドラ『まあ姉ちゃん』の主人公熊谷真実さんをパネリストに、司会は「梅ちゃん先生」の尾崎将也さんでした。
尾崎さんは、日本脚本家連盟スクールのご出身でいらっしゃるのですが、冒頭の自己紹介のところで「学生の頃、新井一さんのシナリオ基礎技術で学んで・・・」とおっしゃってくださり、何気に聞いていた私は、急に新井一の名前がでてきて、びっくりぽんで、とっても嬉しくなりました。
朝ドラはとてもハードなお仕事なようで、根性とシナリオ筋力がついたと全員がおしゃっていたのが面白かったです。

そんな皆さんが脚本家の卵のみなさんへの励ましとして、
中園さん「人と深く深く関わって、濃く感じてほしい」
大石静さん「たくさん、映画と芝居を見ること。忍耐・覚悟と打たれ強いこと」
羽原さん「自分に落とし込んで考える」
尾崎さん「自分をさらけ出すこと恐れるな。それをいかにフィクションに落とし込むかが勝負」
さすがに大御所たちの励ましは、それぞれの個性がありますが適格ですね。

お話の中では、「人工知能でなんでもできるような時代になって、美人の顔を創るのに美人の100の顔を足して100で割るとできるのだが、形はきれいだが魅力がない。シナリオだって作れるようになるかもしれないが、やはり人の匂い、いびつなところが魅力なので、人工知能には負けられない」と中園さんがおっしゃられたのが印象的でした。
45周年パーティー席上でも、ジェームス三木さんも「コンピューターがシナリオを書く時代になって僕らはお払い箱になるのではないか」と笑わせてくださったのですが、星新一賞も人工知能OKとなり、確かに近未来はどうなるのでしょうって感じもします。
とはいえ、中園さんがおっしゃるように、画一的ではない唯一無二の人間たちを描くのがドラマですから、統計的な人間像はありえないと思うのですが・・・。

第2部の「脚本が危ない」では、小説家の浅田次郎さん、テレ朝の内山聖子プロデューサー、フジテレビの杉田成道エグゼクティブディレクター、講談社の鈴木宣幸編集総務局長、アニメも実写も書かれる脚本家十川誠志さん、脚本家の林宏司さんをパネリストに、脚本家連盟の理事長中島丈博さん、理事の金谷祐子さんの司会で行われました。

原作者に翻弄される脚本家を嘆く中島さんの発言から初まって、プロデューサーが悪いのだというとても興味深い展開だったのですが(笑)、浅田次郎さんの「お互い上も下もないクリエイター同士、そんなことは脚本家、監督としっかりとコミュニケーションをとればトラブルは避けられる」との一言にさすがと心の中で拍手喝采。
でも、当たり前のことが行われていない現状に驚きました。

私は、オリジナルを書けない現状と名前も載らない地位の低さを打破することが、脚本家の地位向上だと思っているので、そんなシンポジウムもしていただけたらと思います。 脚本家のユニオンでもある脚本家連盟さん、よろしくお願いいたします。

でも、色々なご意見を聴かせていただき、いろいろ知ることができ、センターの受講生の方々もたくさん来ておられていましたが、私同様、きっとよい勉強のなられたことと思います。ありがとうございました。

日本脚本家連連盟、創立50周年おめでとうございました。

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