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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

読書のG・W

シナリオ・センター代表の小林です。あーあ・・・GW終わっちゃった。今日から平常授業です。
センターは、社員の希望で6日から仕事を始めたので、私も1日早くいやいや()仕事に。それにしてもわが事務局は、センターを愛してくれている働き者ばかり、本当にありがたく頭が下がります。
出身ライターの山本むつみさんも、「GWは、GotoWork」とか、ホントみんな働き者ですね。


休みの間、読もうと思っていた本も、まだ読み残しておりますが、出身ライターの野口卓さんの「ご隠居さん」(文春文庫刊)と作家集団の沢木褄さんの「一曲処方します~長閑春彦の謎解きカルテ」(TOブックス刊)の2冊を読みました。

 ご隠居さん

野口卓さんの「ご隠居さん」は、落語好きの野口さんらしい時代劇シリーズで、構成が面白く、いままでにない時代小説になっています。
「ご隠居さん」というタイトルなのですが、鏡磨ぎ師梟助さんが主人公。なぜ、「ご隠居さん」というタイトルなのか、実はこの秘密が本編最後に語られるので、お教えできません。()
鏡磨ぎ梟助は「鏡磨ぎ、かがみーとぎー、ピッカピッカに磨きます、磨きます。いくら自慢のお顔でも、鏡が曇れば映りませ♪」と呼び声を掛けながら、江戸の町を歩きます。呼び止めるお客様は、みーんな梟助を待っている人ばかり。なにしろ、梟助の鏡磨ぎの技もさることながら、お話がとても面白いから。ここに落語ネタが入るんです。
さすが野口さん、落語通だけあって、抜群の面白さ。呼び止めるお客様の持つ背景、事情とを合わせながら、巧みに落語を使ってお客様たちの感情に訴えます。小説の中の鏡磨ぎのお客様と読者の感情は、リンクします。
落語は、シナリオの勉強にもなります。小満ん師匠のおりがみつきです。

 一曲処方します

もう一冊は、作家集団の沢木褄さん「一曲処方します~長閑春彦の謎解きカルテ」
初版からもはやシリーズ化決定という快挙です。患者から音楽が聞こえてくるという不思議な力を持つ心療内科医長閑晴彦が活躍します。
音楽というのがキーワード。
でも、単純にその人の持っている音楽を聴くことですぐにわかるのではなくて音楽が持つ意味付けなどを解き明かしていく、周辺捜査も行うなど単純には終わらない心の闇の謎解きが面白く、どうなることかと。なるほどシリーズ化になるはず。
個人的なことですが、舞台が我が家のそばなのです。タイ焼き屋などでてくるお店、上智大学、はるの散歩ロード四ツ谷の土手など四ツ谷市ヶ谷周辺なので、よけい感情移入してしまいました。私は登場しません。(笑)

 

野口さんの落語、沢木さんの音楽。ちょっと見方を変えるだけで面白いお話ができてくるのですね。ちょっと見方の角度を変える・・・どれだけ視野を広げるかが勝負のようです。

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