一億人のシナリオ。は、潟Vナリオ・センターの運営プロジェクトです
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一億人のシナリオ。の
マークは、作・五味太郎さん |
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人に伝えるためのシナリオの技術を、
あなたがより良く生きるために活用する。それが、“一億人のシナリオ。”
小学校、中学校、高校、大学といった教育機関、そして企業や公共団体の方々向けに、
シナリオ・センターが実施しているプログラムです。 |
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| 今月のコラム(『月刊シナリオ教室』 11年12月号より) |
キッズシナリオは、〇九年からのスタートアップを経て、今年で三年目を迎えました。今回は、今年実施した青山小学校や麻布小学校、高知工科大学や成城大学での授業を基に、これまでの活動で感じたことをまとめてみたいと思います。
その中から、社会の中で、キッズシナリオが担うべき役割というものを考察できればと思っています。
■キッズシナリオ、役に立ってる?
社会貢献事業は、本当に社会に貢献しているのか。そんなことを今一度、この場で問い直してみたいと思います。
そうです。シナリオ・センターが四〇周年を機に始めた「一億人のシナリオ。」プロジェクトの一つ、「キッズシナリオ」についてです。
キッズシナリオという活動を始めて、三年目が終えようとしています。この三年間で、百時間、六百名以上のこども達に、シナリオを書くという出前授業を行ってきました。
このキッズシナリオは、シナリオ・センターが創設からの四一年間で五百名以上のプロのライターを誕生させてきたノウハウを、子どもたちの想像力・創造力を豊かにするために取り組んできた社会貢献事業です。
さて、キッズシナリオは社会に貢献しているのか、求められているのか。
■今、社会で求められているものは?
日本経済団体連合会が実施した「新卒採用に関するアンケート結果」で、企業が新卒採用者の選考にあたって特に重視した点は、コミュニケーション能力だそうです。
コミュニケーション能力とはなんぞや?という議論は、ひとまずおくとして、この結果には何となく納得できます。
「あの人、仕事は早いかもしれないけど、コミュニケーションが取りにくいよね」や、「家族ともっと密にコミュニケーションをとった方がいいよ」など、当たり前のようにコミュニケーションについて話題になります。
一方で、内閣府が実施した「低年齢少年の生活と意識に関する調査」の中で、中学生の悩みや心配事に関して、「友達や仲間のこと」が前回調査八、一%から二○、○%まで増加しているそうです。同様に、日本学生支援機構が実施した「大学、短期大学、高等専門学校における学生支援の取組状況に関する調査」では、『対人関係』に関する学生相談が八割以上です。
この調査結果から、子どもたちは、友人とのコミュニケーションに多くのストレスを抱えているということがわかります。
実際に小学校に出前授業に行くと、子どもたちはどことなく、クラスメイトからどう見られるかという点を気にしています。
私自身、小学校から中学、高校、大学と振返ってみると、友人との関係には気を使っていたと思います。いつも頭の片隅では仲間外れにされないように、細心の注意を払っていたような気がします。そしてそれは、あまり気持ちのいいものではありませんでした。なによりも、「自分を薄めている感じ」がしました。
小学校から大学まで授業をしている中で感じるのは、多かれ少なかれ、彼らの中にも「自分を薄めている感じ」があるのではないかということです。
■胸襟を開くこと
学生が社会に出る際に重要視されるのが、コミュニケーション能力である一方で、学生の悩みが、友人とのコミュニケーションであるという現実。
このギャップを埋めていくことこそ、キッズシナリオの意義なのではないかと思います。
感動するドラマのシナリオでは、必ず登場人物に感情移入をすることができます。「あぁそういう気持ち、わかるなぁ」と共感させてくれます。ドラマを見るとき、私たちは筋を追っているのではなく、登場人物の気持ちを追っているのです。
逆に言えば、シナリオを書くということは、自分とは全く違う性格や来歴の登場人物の気持ちを、自分のことのように追っていくことです。この時、私たちの想像力と創造力がどれだけ活発になっているかは、一行のセリフを書くだけでも明らかです。
企業が求めるコミュニケーション能力、さらに言えば、学生たちが望むコミュニケーションとは、「自分を薄める」ことではなく、胸襟を開いて語り合い、時に喧嘩をしながらも、目標に向かってお互いに真摯に語り合うことなのです。
アクションに対するリアクションを想像・創造するシナリオ発想こそ、相手にどう伝えるべきか、それによって相手がどう受けとるのかを考えるコミュニケーション能力の素地を築くのです。
■鉄は熱いうちに打て
小学生のころからシナリオを書き、想像力・創造力を豊かにすることで、小・中・高・大学生が抱える対人関係についてのストレスを大幅に減らすことができます。コミュニケーション能力も格段に高くなります。シナリオが、対人関係を円滑するためのツールになるのです。
大学においては、キャリア教育に必要以上に時間を割かなくてもよくなります。小学校の内からシナリオを書くことで、自分自身がどういう人間なのかを客観視することができるためです。あとは、どう生きたいかによって、自分自身を成長させていけばいいのです。
企業はコミュニケーション能力の高い人材を、自然と得ることができるようになります。そのため新人研修費用も削減できます。なぜなら、シナリオ発想が身についていれば、顧客の立場に立って提案することは当然のことだからです。
キッズシナリオは、まだまだはじまったばかりです。結果がでるのは、数十年先かもしれません。しかし企業の使命は、目先の収益ではなく、持続可能な事業体として、社会に価値を還元していくことです。
公教育が、目先の入試結果に左右されることなく、数十年先のこども達のためにあることと同じです。だからこそ、キッズシナリオを青山小学校や麻布小学校で実施していくことに、大きな意味があると考えています。
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